<右大将道綱母の詠める歌>
嘆きつつ
ひとり寝る夜の
明くる間は
いかに久しき
ものとかは知る
道綱の母親が詠める歌であるらしい。
母というものは、幾つになっても息子のことが心配なものだ。
右大将にまで出世してなお、何か嘆くことがあるみたいじゃの。
・・ったく、あの道綱ったら・・と嘆きながら床に就く。
だから、なかなか眠ることが出来ないでいる。
そうやって悶々としながら過ごす夜が明けるまでの間というのは、
いかに長いものか・・ということを知ることよなあ・・と。
いったい、母は何をそんなに嘆いておるでござるか?
息子はもはや右大将!(左大将というものもいたのか?どっちが偉いんだ?)
地位も名声も得た息子に、不満などなかろうに・・
・・・・ああ、そうか!そうやって偉くなっても、母親には関係がないのだ。
ちっとも自分のことを気にかけてくれず、嫁ばかり味方する・・
それが気にくわないのだな、きっと。嫁と姑の醜い争いは、今も昔も同じだ。
「まあ、まあ、母じゃ!そこは小町の言い分もわかるゆえ、
お互いに譲り合って仲良くしてくだされ!」とか、道綱に言われて、
ぷい!と寝室に来てしまったものの、腹が立って眠れぬ。
小町は小町で、道綱に食ってかかっている・・
道綱は道綱で、もうどうでもいいから、明日も早いし、眠りたい。
げに、右大将になっても、休まる場所もない・・
それはさておき、道綱の嫁は、いつから小町になったんだ?
つづく